毎日が楽しくなる万物の3つの見方

はじめに:得るための知恵

物の見方が変わると、新しいものを得る。

 

このことは僕が美術史を学びながら切実に感じたことである。今までは美術展に行っても、絵の見た目・自分の好みでだけで作品を見ていたので全く面白くなかった。おそらく、絵画を1%も楽しめていなかったと思う。

 

しかし、絵の見方を知ることによって、絵は「見るもの」という認識から、絵は「読むもの」という認識に転換したので、以前の数百倍は楽しむことが出来るようになった。

 

これと同じく、万事すべてのことがそうだ。

皆さんにもこのような経験はないだろうか。

 

例えば、人物を描くのはちょっと…と苦手意識のある人が、いざ技術を学んでみるとその味を知り、描くうちにむしろ人物画が得意になった!とか。認識が変わることで、それまでには考えられなかったものまで得るようになる。まさか、自分が人を描くとは!と以前の自分が聞くと驚嘆するだろう。

 

というわけで、

ここでは物の面白い見方を紹介しようと思う。物と言っても、特定の物ではなく万物を対象にした見方である。だから、これは特定の人にだけ該当する話ではなく、全ての人に該当する話だ。さらに、これを知れば何でもないような景色でさえもっと意識して見るようになる。

 

さらには、皆さんの生活が変わっていくだろうし、描く絵も変わっていくだろう。

 

面白い見方①:連れ合い

よくよく身の回りを見てみると、ある法則を見つけることが出来る。

それは、、すべてのことは、連れ合い(ペア)になっているとうことである。

 

例えば、人間一つとったとしても、

男と女、手、足、目、耳、鼻、口(上下)、脳(右脳と左脳)…。このようにきりがない(笑)

「問題と答え」という大きな連れ合いもあれば、僕は今カフェでソイラテを飲んでいるが、「カップとストロー」でさえ連れ合いなのだ。このように、繋がっているものは1つである。片方だけではちゃんと存在できない。

 

このような見方をすればするほど、地球にある全てのものは本当によくできていると感動するしかない。言われてみると当然のことのように思えるのだが、普段意識することはないだろう。

 

絵においても、筆と紙、絵の具と筆、画家と道具、構想と実践など、実に多くのことが連れ合いを成している。その中でも、画家(画家だけでなく何かを作る全ての人)にとって最も重要な役割を果たすものが、他でもない「構想」の部分だ。

 

これに少なからず役に立つものが、連れ合いの考え方である。美術史の記事でも触れることになるが、アレゴリー(何かしらの意図を含んだ絵)を描くうえでも非常に役に立つ考え方なので是非皆さんも実践してみてほしい。

 

自分の絵画により豊かなストーリーが生まれることになるだろう。

 

面白い見方②:特徴を知る

物の特徴を知ること。別に特別なことを言っているわけではない。が、絵を描く人がどれほどそのモチーフの特徴を知って書くのかによって少なからず絵は変わってくる。

 

1つ例を出してみよう。

絵のジャンルで「静物画」というジャンルがある。美術の基礎を学んだことのある人なら誰でも1度は描いたことがあるだろう。

 

その時、皆さんはどんな思いでそのモチーフを描いただろうか。

「上手く描こう!」みんなこのように思って描く。もっと次元を上げるなら、「魅力的に描こう!」と思う。(因みに、ジブリの背景はこれが1つのテーマになっている。)

ところで、静物画が描かれるようになったのは今から約400年前のこと。当時も、今と同じようにブドウなどの果物が描かれていたが、今とは全く意味していることが違うのだ。

 

皆さんが、ブドウが描かれてある絵を見ると「上手く描けているなあ」、「美味しそうだなあ」などそのように感じると思う。また、先も説明したように制作した画家もこのような意図で描く。

 

ところが!

その当時の画家は、「人生の儚さ」を静物画に込めたのだ。

静物画のモチーフとなる生物・植物はいずれ腐ってしまう儚いものであり、同じく人間もいずれは死んでしまう。だから、「日々を正しく生きよう!」というのが真の意味である。

 

まさか、静物画にこんな深い意味が込められているとは!

いやいや、そんなの知ってるよ。という人もいるかもしれないが、僕はこれを初めて知ったとき衝撃を受けたのである。

このように、

生物に共通する特徴「いずれは亡くなってしまう」を知ることで、同じモチーフを描くにも全く描く姿勢が変わってくるし、結果的に絵自体が変わってくるのである。

 

面白い見方③:人に繋げて考える

先の続きになるが、特筆すべき大事な観点がある。

 

それが、人に繋げているという点だ!

 

一言で言うと、「これと同じくこうだ。」という考え方である。

ブドウが今は瑞々しくて美味しそうに見えるけれども、2週間もすれば腐ってしまう。これと同じく、人間もいずれは亡くなってしまう。ということになる。

 

そして、さらに!

だから、「日々を正しく生きよう!」という部分が最も大事な部分。これが、観賞者へのメッセージである。ここでは詳しくは触れないが、この考え方はキリスト教から来ている。

 

そして面白いことは、生物というモチーフを通して、儚さを嘆くものかと思いきや、そうではなくむしろ人々に希望を与えているという点である。

 

美術史を学ぶと分かるが、かつての絵は今以上に人々に希望を与える役割も果たしていたのである。

 

このように、

 

万物を人に繋げて考えるという見方がある。これは本当に次元の高い考えであるが、実践すればするほど面白い!

 

実は、面白い見方①で考えてみると、

この②と③は連れ合いになっている。万物の特徴だけ知るのではなく、人に繋げてこそさらに面白い見方が出来るようになるということだ!繋がったものは1つである。

 

この3つを意識するだけでも、今までの物の見方と大きく変わってくることは間違いない。皆さんの絵が、さらには生活までもがもっと面白く素敵になるちょっとした考え方を紹介した。